昔話を少しだけ

背景とか(2000年初頭の日本の様子)

私は今44歳になった。昔話になってしまうが、私が大学を卒業した頃は、日本版金融ビックバンなんて単語で金融の自由化が進んでいた。「フリー、フェア、グローバル」の3つのキーワードで雑誌でもよく特集がくまれていた。世界中の金融商品に誰でも投資できる時代になると言われていた。fxもその流れの中でサービスを提供する会社がたくさん出てきた。今では存在していない会社がほとんどだと思う。当時はレバレッジ規制もなく、日本の会社でもレバ200倍を提供している会社がいくつもあった。インターネットの普及もあり、私もその流れの中でお金儲け手段の1つとしてfxを始めた。情報商材なんて単語もなく、youtubeもなかったと思う。

20代後半(fxをはじめた)

金融の自由化と並行して、2000年初頭はインターネットベンチャーの黎明期だった。堀江さん、藤田さん、孫さんがビジネス雑誌で毎週のように特集されていた。若い経営者がビジネスで成功しているのを見て「すごいなー」と思って見ていた。自分にはできる気がしないと思う一方で、何かできることはないかと様々な試行錯誤をした。サイトの運営も試したし、ヤフオクを使った物販も試した。色々試した結果、様々な要素が絡み合うビジネスは難しいし、副業規定に引っかかると非常にまずい。現実問題として、使える時間も限られている。自分の能力が結果に直結するものが、最も努力の価値があると思い、投資とアフィリエイトに行き着いた。レバレッジを考えるとfxが最も効率が良いと思い、デイトレーダーになろうと決めたのが28歳頃だった。会社勤めの中で、課題の整理や改善の方法は学んでいたので、「本業と同程度に努力すれば数年で勝てるようになる、まあ長くても10年くらいあればいけるだろう」と思っていた。しかし、本当に10年かかるとは思っていなかった。その時に3つのマネープランを立てた。会社勤めでは最低限、ミドルを達成し、fxでストレッチを達成する。これを今も目指している。

30代前半(試行錯誤&迷走)

安定はしなかったが、運良く資産が増えていた。博打のようなトレードだったので今考えても単純に運がよかったとしか言えない。リーマンショックで大きく勝てたのが大きかった。しかし客観的に見て、「このまま続けても破綻のシナリオしか描けない」と思い成功へのアプローチをもう一度理論的に組み立てようと考えた。ものすごい寄り道と、無駄に知識が積み上がった迷走の時期だ。fxに限らず、様々な理論を学んだ。統計学、fxの理論、学習方法そのものや、メンタルが重要だと言われれば、本業で感情分析のプロジェクトを立ち上げたりもした。公私混同も厭わず、できることは何でも試した結果、当然のように本業も忙しくなり、fxに費やせる時間はどんどん削られた。結局、この時期の試行錯誤はfxには間接的にしか関係せず、かなり無駄が多かった。まさに迷走の時期だ。

 

30代半ば(勝てるようになったが・・・)

紆余曲折の末、勝てるようにはなったが、ほとんどの試行錯誤とは関係なく、いくつかの手法を完コピした結果だ。最初からシンプルに完コピしておけば良かった。そうすれば数年短縮できた。勝てるようにはなったが、自分の求める売買頻度や、理論の精度を考えるとまだまだ手法の完成度が低いと思い、理論の組み合わせをはじめた。そしてまた迷走の時期が続いた。この時期の仮説検証についても、「微妙だったなー」と思う。素直に手法の完コピした手法を使い続けていても良かったと思う。そうすれば、組み合わせの検証に費やした数年も必要なかった訳だ。実際に組み合わせを始めた途端に勝てなくなった。結局最後は勝てる理論の構築には成功したが、最後にたどり着いた手法は、最初に仮説立てた手法とほぼ一緒だったよ。

40歳頃(体系化が終わった)

淡々とトレードを続ける日々が続いた。数年間、忙しいけれど退屈な日々を過ごしていた。本業は頑張りつつも、プライベートの全ての時間をfxに費やしていた。仕事の昼休憩にPCを開いて、電車の中でPCを開いて、自宅近くのカフェでPCを開いて、帰宅してもPCを開いて、何処へも行かず、何も買わず、ただただ、トレードをして資産を増やすことに専念していた。それは昔も今も変わらない。目的は何かと聞かれれば、仮説の検証だと答えたい。「学習と経験から生じる知恵」は、人生を大きくかえることができると考えている。それを実証したい。実証できたら、「努力は意味がある」と言えるから。

40前半(教え方の研究)

勝てるようになったので、トレードのレクチャーを始めようと思ったのが40前半。まずは「生徒」を探すことから始めた。それまでにも会社の友人に教えたことはあるけど結局長続きしなかった。トレードは答えのはっきりしない世界なので、継続して取り組む人は本当に少ない。気長に、生徒になってくれる人を探そうと思い、本業で大学生のOB訪問を受ける時に、趣味で投資をやっていることを伝えて、「教えてください!」と声がかかるのを待つことにした。結果として、35名ほどOB訪問を受けて、その中で3名の方から声がかかり、2名の方へトレードを教えることになったのが数年前。形は何度か変わりつつ、今の週1回のオンライン勉強会に落ち着いたのがちょうど1年前くらい前だった。当初から参加いただいている方の協力もあり、勉強会も少しづつブラッシュアップされていると思う。まだまだ少ない勉強会の参加者だけど、コンテンツを揃えてきっちりプロモーションしたらそれなりに人も増えそうだというのがこの1年の感触。このサイトも訪問者はとても少ないのに、月に数件は問い合わせがあるので潜在ニーズは結構あるのだと思う。

最後の課題

今1つだけ、解決していない課題がある。それは自分の性格だ。少額からトレードをしていると、「どーせ勝てるし」と思ってロットを増やしてしまう。つまりは資金管理が甘い。会社勤めをしている間はいいが、fxを生計の柱にした場合には破綻原因となりかねない。元金に関係なく、常に理論的な資金管理ができる必要がある。1000万の元金だとできるが、1万の元金だと管理が甘くなるという課題を解消できたら、「トレーダーとして隙がない」状態になる。という理由で去年から1万円でトレードをしている。今年は資産を増やす年ではなく、最後の課題を解消する1年にしようと思い、続けている。

 

 

 

 

 

 

 

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